「ざんまい」といえば、そりゃあ寿司でしょう! …そんな世界観が見事にひっくり変える体験が、ここ杖立温泉郷に待っていました。一度も来たことがなくても、なぜか懐かしく感じてしまう。旅情たっぷり、湯けむりふんわりの理想的な温泉街。そんな杖立には約20の源泉があり、豊富な湯量と98度の高温の温泉を利用して、昔から「むし場」が活用されてきました。では、そもそも「むし場」とは?温泉の蒸気を使って煮炊きができる蒸し釜ので、食材を持ち込めば、誰でも簡単に蒸し料理を楽しめる場所のことです。

参考プラン
-
豊作市場
-
足湯
「御湯の駅」 -
杖立温泉
観光協会 -
むし場
-
立ち寄り湯
-
杖立プリン
-
食堂こまつ
で夕食
懐広く、奥深い!
蒸し欲満たす温泉。
まさに地元に根付いた、杖立ならではの文化。杖立温泉には、無料で使える「むし場」が現在4つあります。町のあちこちに点在する「むし場」は、地元の人たちにとっても、日々の暮らしに欠かせない共同場。かつては地元の人たちと湯治客たちが一緒になって煮炊きや自炊を行なっていたそうで、以前は井戸端会議ならぬ“むし場会議”の光景が、杖立の風物詩のひとつだったよう。
そんなふれあいの場に思いを馳せて…まずは観光協会でむし場マップを手に入れましょう。卵、ジャガイモ、さつまいも、かぼちゃ、とうもろこし…などの蒸したい食材は事前に準備して持ち込むのも良いし、温泉街の入り口にある「豊作市場」で地元の新鮮な野菜を手にいれたり、到着してから観光協会で購入できる「むし場体験セット」(ジャージー肉まん・たまご・いも・青み野菜・人参・しいたけ入り。予約制)を購入するのもベター。基本的にどこも使い方は同じで、使い方はもちろん、定番の食材に関しては蒸し時間の目安も記載されているのでとってもわかりやすい!




蒸し器のふたをあけて、食材をセットする。使い方はそれだけ。蒸しあがるまで温泉街をぶらり散歩するのもいいですが、食材ごとに蒸しあがる時間が異なるので、何度かに分けて楽しむのもおすすめです。杖立のお湯は弱食塩泉のため、蒸気だけでうっすらと塩味がついて蒸しあがるのが特徴。蒸すことで甘みが目覚めるものあり、とろりとした舌ざわりになるものあり、素材らしい風味が開くものもあり…とにかく、どれだけでもぺろりといけてしまうのです。
卵やさつまいもなど定番メニューのほかにも、りんごやみかんなどのくだものを蒸したり、地元・小国のフレッシュな牛乳をあたためてホットミルクにしたり。市販の中華まんなどを買って蒸すのも手軽でおすすめ。たとえば枝豆やブロッコリーなども程よい塩気で美味しくなるので、夏は「むし場」で一杯飲みながら、お酒のおつまみを蒸すのもすてきです。アイデア次第、食材次第で、“蒸しざんまい”な味わい方はどれだけでも広がりそうです。


素材や宿の個性を“蒸しプリン”で食べくらべ!
暮らしのなかで、湯気をつかった「蒸す」という贅沢な料理がごく日常にあった杖立温泉。そんななか、お客さまをお迎えするおもてなしの地元料理に「甘玉子」がありました。茶碗蒸しに砂糖を加えたようなお菓子で、現代でいうところのプリンのようなもの。そんな「甘玉子のようなおもてなし料理を」という想いからはじまったのが、杖立プリンプロジェクト。それぞれのお宿が、オリジナルのアレンジを加えてぷるんと仕上げた自慢の味がそろいます。
「ほとんどのお宿は、独自のむし場をもってらっしゃると思いますよ。プリンは蒸しすぎちゃいかんのだけど、あら、今日の蒸気はちょっと激しいみたいね(笑)。きっと皆さんを歓迎しているとじゃないかな」。ホワホワとあたたかい湯気が漂う厨房で、「新ひたや」の女将・高崎とし子さんがそう話してくれました。こちらでは、小国いものペーストを練りこんだ「からいもプリン」を提供。ねっとりとした口どけ、素朴なやさしい甘さで人気です。



ほか、たまごプリン、ほうじ茶プリン、杏仁プリンなど、立ち寄り湯のあとにいただけるおいしい杖立プリンの情報や、お持ち帰り可能なプリンの情報は、観光協会にお尋ねください。